健康に暮らせる町づくりを目的とした生活習慣および健康状態の調査
Dynamics of lifestyle and Neighborhood Community on Health Study[DOSANCO Health Study]
目的
我が国は、世界最長寿国の一つとなりましたが、平均寿命と健康寿命(日常生活に制限のない期間)との差は拡大傾向にあります。高齢者では認知症を始めとする要介護者の増加、若年・中年では糖尿病を始めとする生活習慣病や、メンタルヘルスに変調をきたす者の増加、子どもでは体力の低下や肥満者の増加が社会的問題となっています。そこで、この度、寿都町と北海道大学が協働して、このような健康問題に取り組むための研究を行うことになりました。
この研究は、寿都町にお住まいの方を対象に、質問票を用いた健康状態や食事、運動を中心とした生活習慣、移動手段や地域のきずな等を含む生活環境、および血圧や体組成等のより詳細な健康状態をそれぞれ調査することで、寿都町民一人一人がその人らしく健康に暮らせる町づくりに取り組むために必要な資料を整備し、さらに、健康寿命を延長させる要因を明らかにすることを目的としています。
方法
調査は3つから成ります。
1.「あなたの食習慣を知るための質問票」「生活習慣・健康に関する質問票」を用いた自記式調査
2. 会場にお越しいただき測定する集合型調査(身長・体重の計測、血圧・体組成の測定、生体試料の採取・保存など)※ 保存した生体試料(尿、便、血液)を用いて、生体物質(DNAを含む)がどのような制御機構や相互作用のもとで病気の発生や予防に関与しているかなどを明らかにするための研究に用います。ただし、これらの研究を行う場合は、改めて分析項目等を詳細に明記した研究計画書を作成し、北海道大学大学院医学研究院・医学部医学科 医の倫理委員会の承認を受けます。
<本調査にご協力いただいている皆様へ>
北海道大学大学院医学研究院・医学部医学科 医の倫理委員会の承認を受けて、ご提供いただいた尿、便、血液を用い、下記の項目を測定しています。これらの測定結果を用いた研究への協力を取り止めたい場合は、各項目に記載の期日までに当教室へご連絡ください。
・糞便理化学分析(便)(2016年10月末まで)
・インスリン(血液)(2016年10月末まで)
・C-ペプタイド(血液)(2016年10月末まで)
・高分子量アディポネクチン(血液)(2016年10月末まで)
・高感度CRP(血液)(2016年10月末まで)
・脂肪酸(血液)(2016年12月末まで)
・ビタミンD(血液)(2016年9月末まで)
・腸内細菌叢(便)(2019年3月末まで)
・低比重リポ蛋白(血液)(2019年8月末まで)
・プロインスリン(血液)(2019年10月末まで)
・その他(脂肪酸以外)の脂質(血液)(2020年8月末まで)
・シスタチンC(血液)(2020年8月末まで)
(2019年4月2日現在)
共同研究機関:
北海道大学大学院先端生命科学研究院 細胞生物科学分野(メタゲノム解析, α-ディフェンシンの測定)
株式会社テクノスルガ・ラボ(代謝物の分析)
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(メタゲノム解析で得られたデータのバイオインフォマティクス)
中山大学公衆衛生学院流行病.衛生統計学教室(中国)(得られるデータを用いた統合解析)
手順:提供いただいた糞便中からDNAを抽出し、メタゲノム解析を行います。得られたデータのバイオインフォマティクス解析は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所で行います。
※メタゲノム解析で得られるデータには、ヒトゲノム配列が含まれる可能性があります。ただし本研究では腸内細菌叢を解析対象としているため、マッピングソフトを用いて2018年3月現在識別できるヒトゲノム配列を削除後にデータを国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所に提供します。
3. 追跡調査
転出、がん罹患、医療費、要介護状態や死亡などの情報を把握します。
なお、対象者の方々の個人情報が漏れないよう研究に用いる情報からは個人情報を削除した上で、十分に留意して取り扱います。
共同研究機関
寿都町
北海道家庭医療学センター
北海道大学保健科学研究院
北海道大学先端生命科学研究院
北海道大学医学研究院免疫・代謝内科学教室
北海道大学医学研究院整形外科学教室
天使大学看護栄養学部
大阪市立大学生活科学研究科
立命館大学生命科学部
東京医科大学医学科
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
株式会社テクノスルガ・ラボ
中山大学公衆衛生学院(中国)
琉球大学医学研究科
関連資料
新聞記事
平成27年7月9日 北海道新聞 朝刊(小樽・後志版)25面掲載